小嶋一浩/小さな矢印の群れ(TOTO建築叢書4)
¥1,540(税込)
シリーズ第四巻目、小嶋一浩氏自らが生み出した建築の概念「開いた場的モデル」とは何かを説いた一冊。
20世紀の箱型建築「ミース・モデル」は、建築を外部から切り離し、密閉することで内部空間の環境をコントロールできるため、技術の発達とともに、地域性に関わらずどこでも成立し、量産されてきました。氏はこの状況こそが現代においては建築の閉塞感を強めているのではないかとの疑問を投げかけ、より「開いた場」こそが建築に求められているとして、思考と実践を続けています。
そのために現代のコンピュータによる解析技術を駆使して、空気、光、人などの流れを〈小さな矢印(→)の群れ〉としてとらえ、建築空間を流動するたくさんの〈小さな矢印〉から空間の構成を考えることによって、外部環境が建築内にすべり込み、まるで雑木林の中を散策するように、さまざまな人々に対応する快適な空間の実現を目指しています。
本書は、氏が長年教鞭を執ってきた大学で行なった数多くの国や地域でのサーベイと、実際の設計活動を通して、「ミース・モデル」に対向する「開いた場的モデル」を生成するためにはどのような方法が有効かをまとめた内容となっている。
日本語
196頁・188×128mm・2013年
ISBN=978-4-88706-339-6