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「シェア」の思想/または愛と制度と空間の関係

2,860(税込)

  • 「シェア」の思想/または愛と制度と空間の関係

家、仕事、車、SNS、n次創作……、さまざまな空間・モノ・情報の共有化=「シェア」が進み、「シェア」は21世紀のマーケット・トレンド、ビジネス・イノベーションの契機として期待を込めて取り上げられます。社会のあちこちで台頭するこの「シェアの思想」とは、近代社会の成長神話と目前の社会の間に大きく開いた隔たりを埋める補填材なのかもしれません。
例えば、「シェア・ハウス」は人口減少時代における核家族や近代家族愛に代わるセルフエイドの新たな手段であり、「コワーキングスペース」は多様化する働き方を受け入れる空間であり、「n次創作」はゾーニングを超越したインターネット空間でのクリエイティビティの解放と捉えられ、いずれもが所有や個への分節化、役割の固定化などとは逆の流れを進む、ボトムアップな現象といえるでしょう。
本書は、こうした現象を形成する近代社会制度、政治、経済、哲学、建築、家族などの文脈を読み取りながら、社会史・思想史的な展開のなかに位置づけ直し、「シェア」の実像と可能性を考えていきます。

I 都市化・近代化・市場化

<インタヴュー>
西沢大良  聞き手=門脇耕三|近代都市の根拠──新型スラムと二一世紀の都市の課題

<「シェア」をめぐる思考>
古澤大輔|近代をリノベートする通時的かつ共時的アプローチ
橋本健史|野生の思考で都市を記述する
吉村靖孝|建築はそもそも──揺らぐ所有と情報技術

<「シェア」をめぐる実践>
古澤大輔|《コーシャハイム千歳烏山住棟改善モデル事業》《3331 Arts Chiyoda》《ルミネ立川あおぞらガーデン》《コミュニティステーション東小金井/モビリティステーション東小金井》
橋本健史(403architecture [dajiba])|タグ―〈材料転用〉〈物流経路〉〈既存読替〉〈慣習ずれ〉〈新旧仕上〉
吉村靖孝|《Nowhere but Hayama》《Nowhere but Sajima》「CCハウス」「HouseMaker」

<論考>
青井哲人|都市史のフレーム/パースペクティブからみたシェア論の地平


II 政治・家族・コミュニケーション

<インタヴュー>
國分功一郎  聞き手=門脇耕三|地域社会を「シェア」するミクロな政治──具体性のための制度設計

<「シェア」をめぐる思考>
猪熊純|個がつながる時代の、家族・社会・建築
中川エリカ|まるで、ちいさな世界みたいだ、という気分──垂直にあつまるコーポラティブガーデン
仲俊治|《食堂付きアパート》について

<「シェア」をめぐる実践>
猪熊純(成瀬・猪熊建築設計事務所)|《LT城西》《ガーデンテラス鷹の台》《KOIL》《りくカフェ》《FabCafe Tokyo》
中川エリカ|コーポラティブガーデン
仲俊治|《食堂付きアパート》

<論考>
西田亮介|わが国の「シェア」と参加の前提条件──消費社会、地方分権、データ駆動型(ドリブン)政治はなにをもたらしているのか

III 働き方・生き方・価値観

<インタヴュー>
千葉雅也  聞き手=門脇耕三|悪いこともできる建築──秘密とモノ

<「シェア」をめぐる思考>
連勇太朗|ひらかれた形式 Network, Takes Over
pha|フルサトをつくる──多拠点居住
能作文徳|建築のアイデンティティとアクター・ネットワーク

<「シェア」をめぐる実践>
連勇太朗(モクチン企画)|モクチンレシピによる改修
pha|東京-熊野
能作文徳|《高岡のゲストハウス》

<論考>
門脇耕三|切断と連続のパラドクス──シェアの両極、あるいは空間からエレメントへ


IV 座談

中川エリカ+能作文徳+橋本健史+連勇太朗 司会=門脇耕三|シェア、ネットワーク、エレメントとしての建築──価値の不確かさに向かって



日本語
360頁・四六判・2015年

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