丹下健三-戦後日本の構想者
¥924(税込)
時代の精神を独自の美へと昇華させる構想力。丹下健三が創り出す建築空間は、高度成長の道をひた走る戦後日本の象徴であった。
「建築の化身」。直弟子・磯崎新をしてそう言わしめた人物の足跡を、多くの逸材を輩出した「丹下シューレ」の活動とともにたどる。
従来批判されてきたバブル期の活動にひそむ先見と洞察に光をあてる。
岩波新書シリーズ、最新刊。
目次:
序・残酷な建築のテーゼ
第1章・焼野が原からの復興
・平和を生産する工場-広島平和記念公園
・首都の人口過密と経済発展の止揚-東京都庁舎
・地方自治と民主主義のプロトタイプ-香川県庁舎
第2章・高度成長のシンボルをつくる-東京オリンピックと大阪万博
・情報化社会に向けて
・象徴の創造-国立屋内総合競技場
・成長の先にある未来像-大阪万博お祭り広場
第3章・バブルと超高層ビル
・中東諸国へ
・アフリカへ
・シンガポール、ふたたび東京へ
第4章・丹下とどう対時するか-丹下シューレのたどった道
・国土、都市、建築-浅田孝と下河辺淳
・部分から全体への回路-大谷幸夫と槇文彦
・父殺しとポストモダン-磯崎新と黒川紀章
・言空一致による新しい建築の創造-神谷宏治と谷口吉生
おわりに 丹下の投げかけたもの-戦後100年を視野に入れた建築をどう構想するか
日本語
256頁・2016年