The Live Centre of Information: ポンピドゥーからボーブールへ (1968-1971)
¥9,620(税込)
1971年7月19日、ジャン・プルーヴェがパリのポンピドゥーセンターのコンペ受賞案を発表した際、世間の反応は冷ややかだった。設計者であるレンゾ・ピアノ、リチャード・ロジャース、ジャンフランコ・フランキーニは「無名」とされ、エンジニアのオブ・アラップ&パートナーズは忘れ去られ、「生きた情報センター」というプロジェクトアイディアはパリ中心部の「金属ダム」と揶揄された。
審査員はプルーヴェ、オスカー・ニーマイヤー、ウィレム・サンドバーグといった著名人が名を連ねていたが、カリスマ的存在のフィリップ・ジョンソンが審査を支配し、コンペをはじめたポンピドゥー大統領も審査員の意向に従わざるを得なかったとされる。
それから50年が経った今、入手可能なすべての資料と数十人の証言を元に、これらの誤った通説を検証。
フランス建築を再活性化するための記念碑というポンピドゥー大統領の当初のアイディアから、建築家とエンジニアの願望と前衛的な衝動が交錯する複雑なプロジェクトの成り立ち、審査員の審議の背後に潜む複雑な政治的背景や思想の再構築まで、有名で今なお論争の的となるこのプロジェクトの系譜を辿る。
英語
336頁
195 x 235 mm
2022.2