7inchProject #01 Teppei Fujiwara(藤原徹平)
¥1,650(税込)
プロジェクトによって変化する建築家の考え方、作り上げるための構造、設備、施工のアイデア。クライアントを始めとする人とのコミュニケーション。。。。
一つのプロジェクトを取り上げて、建築を完成させるまでの行程を丁寧に紐解くシリーズ。
記念すべき第一巻は、藤原徹平による等々力の二重円環を紹介。
住まい手にとって「等々力に住宅をつくる」ということは、「等々力の豊かな環境を享受しながら、家族の生活を支える拠点をつくる」ことだ。
何十年にもわたって環境の豊かさを体験しながら家族を支える拠点を考えるうえで重要なことは二点あると考えた。
一点目は「円環連続緑地」という環境のアイデアを取り込んだ空間のアイデアを持つことである。敷地内に回廊状の庭をもつだけでなく、住宅の内部もぐるぐると回遊できる平面計画とすることで、敷地の中にまで等々力の緑道が続いてくるような豊かな体験が生まれる。家の中で走り回っていた子供が、外側の庭を駆け巡り、いつのまにか等々力の緑道を駆け巡っていくような活動的で連続的な環境になる。 建物の内側の円環と、建物の外側の緑地の円環とが重なりあい、建物の中も外も一つながりに駆け回れるような、等々力にしかない「空間の習慣」を持った「二重円環」という建築のアイデアを考えた。
二点目は将来にむけたフレキシビリティを持つことである。この住宅ではどのようにでも間仕切りの増設や家具の増設ができるように、構造体が一間(1820ミリ)スパンで計画され、しかもむき出しのいわば「ハダカ」の状態になっている。
家族の成長や働き方の変化に合わせて、すぐにでも手を入れられるような建築が長期間家族を支える拠点たる上で重要なことであると考えた。
日本語・英語
96ページ・A5変型・2012年