岸和郎/デッドエンド・モダニズム
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いま私たちが直面しているのは、超資本主義的な状況のなか、都市や建築が崩壊していくさまであると建築家・岸和郎は言う。本書では、近代社会が保持してきた価値観が揺らぐ現在、建築はいかに存在価値を持ちうるのかを考える。
ル・コルビュジエやミース・ファン・デル・ローエたちが確立したモダニズムは、どう継承され、受容されてきたのか。ツーリズムやエキゾティシズムという近代を特徴づけてきた概念は現在どう展開しているのか。
また巨匠と踵を接したアイリーン・グレイ、リリー・ライヒの仕事やインテリア・デザインと建築の関係について。語りにくかったファシズム下のモダニズム建築。保存は絶対的な善なのか。丹下健三とは? 建築写真とは?岸独自の視点から、現在の建築状況がくっきりと見えてくる。
目次
はじめに・揺れ動くモダニズムの中で
・爛熟の後に来るもの
・アメリカにおけるモダニズムの受容Ⅰ
・アメリカにおけるモダニズムの受容Ⅱ
・読み替えられるモダニズム
・失速したモダニストたち
・日本における「日本」の受容
・「3mの良心」を持つこと
・「ケンゾー・タンゲ」という存在
・建築を保存すること
・空港~どこでもない場所
・インテリア・デザインの居場所
・建築写真の行方
・アイリーン・グレイとリリー・ライヒに思うこと
・消費されるモダニズム
・出口なき道の行方
日本語
304頁・A5判・2015年