建築家のためのウェブ発信講義
¥2,310(税込)
建築メディアに精通する著者によるSNS時代ならではの新しい「建築家」行動戦略。
ゼロから仕事をつくるためのプロモーション、社会を巻き込む建築理論の構築、施主候補との信頼関係を築くコミュニケーション。
建築家9名がウェブ上で打ち出す個性的な実践を手掛りに、読者各々の目的に合った情報発信の方法を丁寧に指南。
日本語
224頁
188x128mm
2018.4
[目次]
はじめに 建築家がウェブで発信することの可能性
1章 アーキテクチャーフォトというメディアでの気づき
1 建築家自らのウェブ発信に可能性がある
建築家とメディアの関係を俯瞰する
ウェブ発信は「学問としての建築」と「ビジネスとしての建築」の両方に活用できる
「良いものは発信しなくても伝わっていく」という考え方に思うこと
2 アーキテクチャーフォトというメディアでの気づき
建築家とウェブの現在
建築メディアの運営から見えてきた、建築家がウェブ発信ですべきこと
ウェブメディアを立ち上げた理由
地方で立ち上げたサイトが27万ビューになるまでの経験
無料が前提のウェブで、ビジネスとしても成立させる
建築と社会の関係を視覚化するメディア
2章 ウェブ発信の技術 理論編
オリエンテーション 知っておきたいウェブの基礎知識
建築家のためのウェブ発信ツール選び
SEO のテクニックや表面上の美しさは本質ではない
第1講 建築家はウェブとどのように向き合えば良いか
1 建築設計とウェブ発信は似ている
建築設計の考え方でウェブサイトを運営する
設計の思考法がウェブ発信に応用できる
敷地を調査して設計するように、ウェブの流儀を調査して発信する
動線という考え方はウェブ発信でも有効
“裏付けを取って設計するように、慎重に調べて発信
することは信頼につながる”
2 個性と強みを活かした発信をしよう
建築家は何を発信するべきか
自身の価値を理解していない建築家も多いという実感
活動を俯瞰して他者と比べることで強みを見つける
自身の強みを見出す「ブランディング」という考え方
当たり前と思っていることにも価値はある
ウェブなら作品以外の自身の良さもアピールできる
「建築の表現」と「ウェブ発信」を一致させる
第2講 ウェブ活用のための3カ条
1 継続に勝るものはない
継続が前提の世界
一にも二にも継続。自分ができることから逆算して発信内容を考えよう
「楽」にできるという視点が重要
2 「ファンづくり」という視点を持つ
ファンの心を掴むことが、大きなメリットを生む時代
仕事を依頼するのは、あなたの「ファン」だから
ネットでは広範囲での「ファンづくり」がだれでもできる
「ファン」を増やすことはウェブ上での営業活動でもある
3 信頼される発信を心がける
信頼されることが一番大事なこと
過去の発言のストックから「信頼できるかどうか」を読みとられる時代
数字だけを稼ぐことは実は簡単
配慮のない発言は炎上につながることも
第3講 価値を発信するための思考法
1 情報は受け手に合わせて編集する
だれに届けたいかで発信の仕方は変わる
単語の順番を考えることは、建築の動線を考えるように重要
情報の受け手が知りたいことを発信する
自分が伝えたいことは、全体のバランスを見て発信する
様々な価値感を良し悪しではなく違いと考える
2 戦略的に「言葉」を選ぶ
ワード検索の仕組みを理解する
Instagramのタグを観察するとクライアントの世界が見えてくる
同じ作品でも伝える言葉で受け取られ方は異なる
3 移り変わる社会の変化を意識する
常に社会は移り変わる
発信された情報と、受け手の反応の関連性を観察し学ぶ
自身の発信への反響から社会の見方を予測する
3章 ウェブを使いこなす建築家たち 実践・分析編
実践から学ぶウェブの使い方
第4講 藤村龍至さん(RFA) 東京都|思考をブラッシュアップし社会と連鎖するTwitterの使い方
メディアも設計する意思を持つ建築家
SNS上で行う小さな思考実験
ウェブ上に自身の作品の批評空間を生み出す
フォロワーを巻き込むことで関連性を生み出す
│実際にお話を伺って│
第5講 堀部直子さん(Horibe Associates) 大阪府|潜在的なクライアントとつながるためのInstagramアカウント
Instagram を使いこなす建築家
未来のクライアントにアプローチするハッシュタグの使い方
建築を伝えるための写真を、Instagram に最適化する
│実際にお話を伺って│
第6講 連勇太朗さん(モクチン企画) 東京都|アイデアを拡散し、事業を具現化するプラットフォーム
建築の力を一般社会の中で活かしたいという意志を持つ建築家
建築家がポータルサイトを運営するということ
一般目線で考えられたレシピの名称
│実際にお話を伺って│
第7講 伊礼智さん( 伊礼智設計室) 東京都|建築作品と手料理を等価に扱い、ライフスタイルそのものを伝える
生活への深い眼差しを持った建築家
作品写真と料理の写真をフラットに扱う
十年以上、継続更新されているブログ
自身のフィルターを通して発信することで世界観が生まれる
│実際にお話を伺って│
第8講 佐久間悠さん( 建築再構企画) 神奈川県|法規を切り口に。強みを活かし建築の新しい分野を開拓する
「法律の専門家」という活動に合わせて自身を変えていった建築家
「法規」という切り口で自身をプレゼンする
自身の活動に合わせて変更された事務所名
皆が知りたい法規についての解説をブログで発信すること
コンプライアンス意識の高まる現代社会に対応する
│実際にお話を伺って│
第9講 豊田啓介さん( noiz architects ) 東京都|テクノロジーの今を伝え、隣接分野を巻き込むパイオニア
現代テクノロジーに精通する建築家
テクノロジーの情報をキュレーションすることが自身の建築の理解に
異分野の中で「建築家」としての存在を確立する
共感者を集める率直で説得力ある発言
│実際にお話を伺って│
第10講 渡辺隆さん( 渡辺隆建築設計事務所) 静岡県|自身のパーソナリティを伝え、ファンと接するブログ発信
地域でファンを増やし続ける建築家
人柄の良さを可視化し、未来のクライアントに安心感を与える
自身の「好き」を発信することは、自分のファンを増やすことにつながる
│実際にお話を伺って│
第11講 相波幸治さん(相波幸治建築設計事務所/シモガモ不動産) 京都府|建築家・不動産会社・ホームインスぺクション、三者三様の発信チャンネル
三つのチャンネルを持つ建築家
建築家・不動産会社・ホームインスペクターの三つのサイトでクライアントと出会う
同じ素材を、対象者の違いに合わせて編集する
│実際にお話を伺って│
第12講 川辺直哉さん( 川辺直哉建築設計事務所) 東京都|訪問者を楽しませるオリジナルなサイト開発
賃貸集合住宅という強みを持ち、独自の発信をする建築家
自身の活動を客観的な視点で見せる
新鮮な情報を最大限に伝えるサイト構成
自身の活動にあったオリジナルのカテゴリーをつくる
│実際にお話を伺って│
おわりに 「建築」と「建築家」をサポートするために
謝辞・参考文献