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隈研吾 はじまりの物語 ~ゆすはらが教えてくれたこと

1,980(税込)

  • 隈研吾 はじまりの物語 ~ゆすはらが教えてくれたこと

建築家・隈研吾の原点を知るための一冊

2000 年代以降、木材は隈研吾の建築において主要な素材となっており、柱や梁といった構造、パネル板や薄いルーバ ー(羽板)といった装飾など、その使い方は縦横無尽だ。しかし、隈が木材を使うことになったきっかけに高知県・ 梼原(ゆすはら)町との出合いがあったことはあまり知られていない。バブル経済がはじけて、東京の仕事がすべてキャンセルされた時に、隈は梼原と出合い、そこではじめて、町からのリクエストに応える形で木材を使い始めることになったのだ。
本書では、隈がはじめて木造を用いた建築となる「雲の上のホテル」をはじめ、「梼原町総合庁舎」「雲の上のギャラリー」「まちの駅『ゆすはら』」「雲の上の図書館/ YURURI ゆすはら」 の 、梼原町にある 5 つの隈建築を年代順に紹介しながら、隈が続けてきた木材の実験的な試みと進化を辿る。
時に新しい長が前任者の仕事に反発し、継承されないこともある行政での仕事にもかかわらず、梼原町では歴代の町長みなが建築を大事にし、約 30 年にわたり、一貫して街づくり に携わることができた。この経験が後の国立競技場や歌舞伎座を始めとする、場所に根付いた建築を作る過程で生かされたと、隈は述懐する。
また本書に収録されている梼原の隈建築群の写真は、主に広告写真やCM の世界で活躍しながら、『 Le Corbusier 』2017 )など建築写真の評価も高い写真家・瀧本幹也が撮影している。瀧本が直感的に隈建築に合うと感じた硬質な光によって 、 情緒を排して切り取られた写真は、梼原の建築が持つ木の質感を見事に捉えており、隈も「本書の写真はその陰影を巧みに捉え、木という物質の本質を捉えてい ます」と語る。
2011年の東日本大震災を経て、新型コロナウイルスのパンデミ ックを経験し、隈が提唱する、 いわゆる「負ける建築」によって社会とつながり、共同体のあり方を捉えなおす建築観が重要さを増している。 本書は、1964 年の東京オリンピックをきっかけに建築を志した隈が 、新しい未来の可能性を見出すきっかけとなった、 日本の小さな町とそこに住む人々の営み との、特別な出合い の物語である。


日本語
80 頁
2021.6

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