テンポラリーアーキテクチャー :仮設建築と社会実験
¥2,530(税込)
都市を軽やかに使う事例、制度、アイデア集
Open A・公共R不動産 編/馬場 正尊 他著
都市再生の現場で「仮設建築」や「社会実験」が増えている。いきなり本格的な建築をつくれなければ、まず小さく早く安く実験しよう。本書は、ファーニチャー/モバイル/パラサイト/ポップアップ/シティとスケール別に都市のアップデート手法を探った、事例、制度、妄想アイデア集。都市をもっと軽やかに使いこなそう。
編者は、建築設計を基軸としながらリノベーション、公共空間の再生、地方都市の再生、本やメディアの編集・制作を横断的に行うOpen A、「公共空間をオープンに」をコンセプトに、公共空間の活用事例やプロセスをアップデートするためのコラムなど、公共空間がもっと楽しく使える社会を目指し、さまざまな情報発信を行うメディア公共R不動産。
この本は、小さな家具(FURNITURE)からエリア規模の都市(CITY)にいたるまで、スケールごとに分類した、五つの章で構成されている。
家具や屋台など持ち運びできるもの。室内化した暮らしは成熟し、活動のベクトルは屋外に向かっている。家具は空間性を帯びるようになり、技術の進化によって建築的なスケールをも実現できるようになりつつある。
自転車や車など車輪がついたもの。車両と建築の境界は曖昧になり、小さく持ち運べる建築の人気も高まっている。今後、自動運転が普及すれば、この流れはますます加速するだろう。
何かに寄り添うことで成り立つもの。都市の建築は、所有や規制、時間のスキマを見つけだし、パラサイトする。適度な寄生があってこそ、多様性や免疫力を高めることができるのは、都市も生物も同じらしい。
何かの目的のために期間限定で建てる建物。不確実性が高まる現代においては、とりあえず小さく早く安くやってみる。うまくいきそうなら、大規模投資に乗りだせばいい。
1 ~4のテンポラリーアーキテクチャーが集まり、都市的スケールが形成されたもの。都市を、恒久性や安定性を追求するものとしてではなく、自然や環境に応じて変化する、柔らかで可変的な存在として捉えてみる。
また、この本は大きく四つのコンテンツで構成されている。
本書で取り上げる事例は、都市の風景や使い方を暫定的に変えたプロジェクトだ。仮設建築のデザインだけでなく、社会実験などのしくみにも着目している。
テンポラリーアーキテクチャーが求められる背景にはどのような思いや理由があるのだろうか。インタビューでは、プロジェクトのしくみをつくったり、空間をプロデュースしたりと、都市を軽やかに使いこなす人たちに話を伺った。
テンポラリーアーキテクチャーを実現するためには、都市のしくみや制度を知る必要がある。コラムでは、許可/非建築物/所有/社会実験/制度、といったキーワードから、街にアプローチする手法やヒントを解説する。
妄想アイデアは、ありそうでなかったテンポラリーアーキテクチャーのアイデア集。活用しにくい場所でも、暫定利用を上手く使えば、空間を劇的に変えることができる。一時的・仮設的だからこそ可能な、新しい風景を妄想する。
日本語
224 ページ
128 x 188 mm
2020.12