＊稀少本

1994年初版の書籍の再販。
建築写真の巨匠の一人であり、初期カリフォルニア・モダニズムの代表的な写真家ジュリアス・シュルマン。
1927年、16歳のときにはすでに家族で使っていたブローニーカメラで南カリフォルニアの環境や経験を記録しており、1936年、リチャード・ノイトラのクンハウスの写真を送ったことで、彼のプロとしてのキャリアがスタートした。
その後、有名なケース・スタディ・ハウス・プログラム（建築家はチャールズ＆レイ・イームズ、ピエール・コーニッグ、エーロ・サーリネンなど）や、1930年代から1980年代までの、特に南カリフォルニアを中心とした国内外の建築物を記録。R.M.シンドラー、ジョン・ロートナー、ラファエル・ソリアーノ、フランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエ、オスカー・ニーマイヤーなどの建築物を題材に撮影を続けた。シュルマンはその作品を通して、ロサンゼルスのイメージを決定づけ、当時の建築を世界に向けて発信をしてきたのだった。
本書では、シュルマンのキャリアと写真作品の概要に加えて、写真の景色を「構築する」というシュルマンの手法を明らかにしている。印象的な写真を構成する彼の生来の能力を補完する「構築」は、しばしば現実を超えて、建築作品の精神、時間、場所を捉える。建築の視覚的表現の分析は、ジョン・エンテンザのによってカリフォルニアをベースに発行されていた建築・美術雑誌、『Arts & Architecture』（アーツ&アーキテクチュア）などの当時のメディアだけでなく、シュルマンと同時代の写真家たちの作品にも及んでいる。


英語
224ページ
285 x 224 mm
2008年2月（再版）