谷崎『陰翳礼讃』のデザイン: デザイナー谷崎潤一郎の暗さへの称賛
¥2,200(税込)
谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』は、あらゆるデザイナーにとってかけがえのない教科書だった。バイブルだった。ところが、あらためて読み返して、工業デザイン、プロダクトデザインに正面から襲いかかる槍のようなエッセイでもあった。何が良いか美しいか、ではなく、何が邪魔か、見苦しいか、使いにくいか、をデザイナーに問いかける、負から発して心地よさに到る道をさがす教科書だった。
現在の日本人の生活の西欧化、その衣食住から言語まで、思想から立ち居振る舞いまで、あらゆる面で和からの脱却を図った明治、大正、昭和のモダンと付きあった谷崎潤一郎、そして友人だった夏目漱石や森鴎外ら文豪達の作品を通して、デザイナーに何が必要かを問いただしてみよう。
日本語
144頁
135x195mm
2024.10