慶應義塾の槇文彦:建築とアーバニズム思想
¥3,520(税込)

槇文彦は、谷口吉郎設計の慶應義塾幼稚舎で学んだ幼少期を原風景として述懐している。後年は慶應の建築を多く手がけ、母校との絆を深めた。慶應義塾に残した槇の発言や関係者への取材、研究を通して世界的建築家の私的な交流をひもとく。
学び舎として、建築家として、学塾と歩んだ世界的巨匠の足跡
戦後日本を代表する建築家・槇文彦(1928-2024)。
谷口吉郎設計の幼稚舎校舎で過ごした幼少期を原体験とし、慶應義塾での学びを通して建築家としての自己を形成した。
後年には三田、日吉両キャンパスの諸施設や湘南藤沢キャンパス(SFC)の設計を手掛け、再び母校との関係を深めた。
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス寄附講座「槇文彦建築とアーバニズム思想」におけるリサーチや建築家と所縁の深い人々へのインタビューとともに、槇自身の対話の記録、図面資料、論考等を集成。
建築家として学塾と親密な絆を結んだ槇文彦の、慶應義塾における足跡をたどる。
日本語
240頁
150x210mm
2026.07
[目次]
写真構成「慶應義塾の槇文彦建築」(新良太他)
慶應義塾の槇文彦(池田靖史)
第1章 随筆
坪井みどり「《西方への旅》の手帳から」
竹中統一「驥尾(きび)に付す──槇文彦先生に導かれて」
槇 直美「建築家の後ろ姿」
中島直人「アーバニストとしての槇文彦」
小林博人「建築設計とアーバニズム思想の基礎を築いたセントルイス・ワシントン大学」
池田靖史「SFCの槇文彦」
大沼徹「槇文彦アーカイブに向けて」
渡部葉子「建築とアーカイブ」
第2章 証言(インタビュー)
長島キャサリン「国際派建築家への道程」
中野恒明「アーバンデザインの歩み」
福永知義「槇事務所とチームビルド」
大野秀敏「教育者としての槇文彦」
朝倉健吾「《代官山ヒルサイドテラス》とともに歩んだ50年」
遠山正道「《代官山ヒルサイドテラス》に育まれた一人の人生」
山本圭介「《スパイラル》の誕生と都市建築の精華」
藤江和子「槇建築と呼応する家具デザイン」
田中喜一「《SFC》のランドスケープデザイン」
高田典夫「《東京体育館》と神宮外苑」
若月幸敏「40年かけて形成される慶應建築」
第3章 図面
慶應義塾大学三田メディアセンター
慶應義塾大学三田キャンパス大学院校舎
慶應義塾大学日吉メディアセンター
慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス
第4章 対話(再録)
谷口吉郎×槇文彦「建築における美意識」
槇文彦×伊藤行雄「都市の風景と建築」
槇文彦×清家篤「慶應義塾の建築と風景」
槇文彦×谷口吉生「慶應建築の系譜」
第5章 研究
〈建築手法研究〉
都市のようなキャンパス空間
建築空間に埋め込まれた都市性
内外を貫く空間の重層性
集合体と対称性
大空間建築の祝祭性
団地とアーバニズム
周囲の街へ沁み込む魅力
特徴的な質感を扱う手法
風景のフレーミング効果
連続する空間体験絵巻
集合体がつくる奥性
〈空間思想研究〉
槇文彦の書棚とヒューマニズム──「共感」へと至る六〇年の思索の軌跡
槇文彦──世界が語った「日本と世界の間」にある建築
第6章 論考
新倉慎右「建築家がキャンパスにみる夢──慶應義塾のキャンパス建築から読み解くコミュニティの創出」
ドン・オキーフ(新倉慎右訳)「槇文彦の東京」
岩井祐介「アトリエ・ヒルサイドと幼稚舎図書室」
マーク・マリガン(新倉慎右訳)「海を越える槇文彦の建築──大学と文化間交流」
長谷川龍友「個と全体へのまなざし」
槇文彦 略年譜
「槇文彦コレクション」について
「槇文彦建築とアーバニズム思想」活動記録
あとがき(小林博人)
編者略歴