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ドイツのクレフェルドに建てられた二つの住宅は（1927-1930)巨匠ミースの作品としてほとんど知られていない。
「ガラスを使用としたかったけれども、施主が反対したため実現しなかった」というミース自身の説明からも、様々な制約のもとで建てられた住宅としてミースの代表作には数えらることはなかった。長らく放置されていたこれらの住宅は現在現代アートのミュージアムに改修されている。
本書は厳密な資料に基づいた調査研究とアーティストによるインスタレーションによってこの二つの住宅に対する理解を深めたプロジェクトの記録である。
アーティストは、大御所のYves Klein ・Sol LeWitt ・Richard Serra・Ernst Caramelleであるが、それぞれに課された課題はこの建物を構成する要素について検証し、それを現前化させるということ。
窓はなぜあの大きさなのか？なぜあの平面計画なのか？なぜレンガなのか？
ミースの思考プロセスをもう一度辿り、アーティストがそれに少し手を加えることで、空間にダイナミズムを与えていく。完璧ではないからこそ、見えてくるミースのこだわりが細部まで検証されている。


英語・144頁・240×195mm
2005年・